ゴルフクラブヘッドの基礎知識【重心編 その1】
ゴルフクラブの特性を知る上で、非常に重要になってくる「重心」についてお話しします。
以前お話しした、スペック(ウッド編、アイアン編)よりも重要で奥が深いものになりますので、知っておくと今後のクラブ選びが楽になるかも!?
ヘッド重心とは?
まずは・・・
ものには、重さの中心とも言える重心があります。
それは、立体的なゴルフクラブヘッドも例外ではありません。
ヘッドは厚みのある立体的なものなので、写真の3方向の重心位置を奥に(中に)線を引いた交点に実際の重心(ヘッドの空間の中)があります。
この重心を知ることで、クラブヘッドとボールが衝突するインパクトの際に、物理的な作用が起きているのかが推測でき、ヘッドの特性を知ることが出来ます。
但し、前述のとおりヘッド内部に重心がある為、計測しにくい事や、理解しにくいなどの観点から、ヘッドのフェース、ソールなどの表面に重心を落とし込み計測して表す事により、特性を知る指標にする事が一般的になっています。
ヘッド重心の指標
重心をヘッド表面に落とし込むには、単純です。
鉛筆のイラストと同様に先端が細いものにフェース面やソール面でバランスして置ける場所を探し出して重心を探します。
重心特性を知る上で、代表的なものに下記の様な指標があります。
- SS高(重心高)
- SS距離(有効打点距離)
- 重心距離
- 重心深度
- 重心角
- 慣性モーメント(MOI)
それでは、個別にお話しさせていただきます。
重心データに関しては、様々な計測方法がある為、「ジオテックゴルフ」で採用している計測基準で説明させていただきます。
SS高・SS距離・重心距離
SS高は、値が小さい(低い)と一般的に「低重心」などと言われる指標になります。
SS距離は、値がい大きい(広い)とギア効果(別の機会でご説明します)により低スピン化が期待されます。
重心距離は、値が小さい(短い)とヘッドを操作しやすい傾向があります。
重心深度、重心角
重心深度は、値が大きい(深い:フェースから離れる)とボールを上げやすくミスに強い傾向があります。
重心角は、値が大きい(角度が大きい)とヘッドが自然に返りやすいと言われたりしますが、ここは「ゴルフおじさん」的には少し考えがあるので、これも別の機会で詳しく書かせていただきます。
慣性モーメント(MOI)
慣性モーメントは何かと分かりにくいものでなので、割愛しようかと思いましたが、かんたんに触れてみます。
そもそも慣性モーメントとは、止まっている物体であれば留まり続けようとする力、動いている物体であれば動き続けようとする力の事です。
ヘッドに関する慣性モーメントとして代表的なものが、図の2個の慣性モーメントがあります。
カタログや雑誌で取り上げられる慣性モーメントは図の「重心左右方向」が多いです。
一般的には慣性モーメントが大きい程、ミスヒットに強いとされています。
一方、「ネック軸周り」の慣性モーメントはクラブフィッティングを考える上では、必要な要素になると思っていますので、概念として理解していただきたいです。
余談ではありますが、慣性モーメントを計測するには写真の様な特殊な測定器を使用します。
私には何をやっているのか全く理解できない、複雑な計測と計算で算出されるものです。
次回は、それぞれの特性とフィッティングについてご説明させていただきたいともいます。
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